電子レンジのような装置で加熱するだけで、綿とポリエステルの混じった繊維の分別やリサイクルにつなげる技術を、宇山浩・大阪大教授(高分子化学)らの研究チームが開発した。
服の大量消費、大量廃棄が社会問題になっている。環境省の資料によると、2022年度の調査で1人が1年間に手放す服は平均15枚で、その後にリサイクル、リユースされる割合は34%だった。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の資料によると、消費者の求めるファッション性や機能性に対応するため混紡などの繊維が増加している。「素材の多様性ゆえに、個々の素材の分離・分解が困難となっていることが、リサイクルを妨げる最大要因の一つとなっている」という。
宇山さんは、より簡単に混紡繊維をリサイクルできる方法がないかと考えたという。
試したのは、衣服に幅広く使われる綿とポリエステルの混紡繊維。エチレングリコールという液体と、化学反応を仲立ちする触媒とともに、電子レンジと同じようなマイクロ波照射装置に入れて数分間加熱した。するとポリエステルだけが分解し、綿はそのまま回収できた。
残った液体も結晶化させるこ…